いただきもの


先日、H2ギャラリー2階で営業する「喫茶&雑貨・幸え(さきわえ)」の澤田さんから紙の見本帳をいただいた。
ボクがクラフトに好んで使う「マーメイド」という紙のものだ。

紙の見本帳といえば通常10cm×4cmくらい。
しかしこれはでかい。A4版弱はある。
20年も紙の仕事をしていて見本帳は数多く所有しているけれど
こんな巨大なものを見たのは初めてだ。

澤田さんいわく
店に遊びに来る子供達に使われて半分もないのよ、ごめんなさい。
おっしゃる通り、このように歯抜けの状態。

しかし、残っていた色はボクが大好きだった
「灰」・「すみ」・「赤鼠」など、すでに廃色となり
今では入手できないものばかり。
「おーっっっ!!」
ところかまわず大声を出し、
何度もお礼をしてこの貴重なる見本帳をいただいたのでした。


近年、紙の色数は減って行く一方だ。
それは製紙業が不況なのか、そもそもの需要がないのかはわからない。
この紙も昔は100色以上あったが、今はたぶん80色を切っているだろう。


特に渋い色は廃色の憂き目に遭いやすくて
意図する配色が思うように出来なくなったのは口惜しいばかりだ。

毎年その年の廃色情報を得、在庫限りの紙を買い集めてストックしている。
しかしこの見本帳にあった、焦げ茶でもなく真っ黒でもない
「すみ」においては
作品を引き締めるかなめの色として重宝しながら
もう葉書半分程の在庫しかなくて落胆していたところだった。

たかが色のひとつに過ぎない話。
けど若者じゃないからね、ここにかけるしかないのよね。


澤田さん、この歯抜け見本帳はボクにとって至高の贈り物ですよ。
本当にありがとうございました。大事に使います。
またやる気出たよ!!