いろんなことが起こるもんだ。

一昨日、初めての救急搬送を体験した。父の付き添いで救急車に乗り込んだ事はあったけれど、自分を搬送してもらったのは初めてだ。搬送先は脳神経外科
その日の夕方、突然左手の手首から指先までが動かなくなった。

こんな感じで手首は重力に逆らえず垂れ、指が開かず親指は付け根からまったく動かない。物をつかむことさえできない。最初はそれまでとっていた無理な姿勢のせいで、きっと足のしびれのようにやがて回復するはずとたかをくくっていたが2時間たっても何も変わらない。やややや‥。そうなるとさすがのボクもちょっぴり焦ってきた。指は商売道具だしね。病院に行くべきか。かといってどの科を受診してよいかわからない。時間もそろそろ遅い。思い切って119番。


病院に着くとすぐに診察をうけた。当直の医師は若くてなかなかの眼鏡イケメンでした。
「神経の圧迫による神経麻痺でしょうね。でも脳障害の可能性もあるので、とりあえずMRIを撮ってみましょう」。そう促され、ボクは悲壮な面持ちで頭部輪切りへと。
結局、ボクの脳に異常は無く、やはり腕の神経の麻痺と判明。あとは整形外科の仕事らしい。
そっか‥救急車まで呼んだのに意外にあっけなかったその日の結末。とたんに遠くから駆けつけてくれた救急隊の皆さんに申し訳なく思ってしまった。
その後、思った以上に高額だった支払いを済ませ、紹介状と血行促進のビタミン剤3粒とともにすっかり暗くなった戸外へ放り出された。当然車は無く、あっても運転はできない。肝心のタバコも無い。腕が大事にいたらずにホッとはしていたが、脱力感と拠り所なさが足をトボトボと進めた。

文字ばかりではつまらないので、最新作をご覧下さい。7月完成の『羽帽子』です。

翌日、近所の整形外科を受診。結果は眼鏡イケメンの先生の診たて通りだった。
この症状(障害)は『橈骨神経麻痺(とうこつ神経)』といい、原因は神経圧迫によるもの。

参考までに、橈骨神経は腕に走る神経3本のうちの一本。鎖骨の下からわきの下を通り、二の腕の外側に出てきており、とくに二の腕の下は筋肉もうすく、短時間でも強く圧迫すると麻痺して手首が曲がらない等の機能障害を引き起こすという。彼女を腕枕にして寝込むのも危ないらしいよ。
また、脇下を不意に圧迫してしまう例として、泥酔時や睡眠薬服用時に、腕を脇に抱えたまま長時間寝込んでしまった場合があげられていました。寝返りってやっぱり大事なんだね。
ボクの場合は、椅子の背もたれに腕をかけて椅子を揺らし長時間ボラボラしていたのが原因。以後、ボラボラ&深酒禁止であります!

整形外科では特別な治療はなかったものの、『橈骨神経麻痺』の詳しい説明をしてもらい、ボクの症状はその典型的なものであり、時間はかかるがやがて自然治癒するとの診断を受けおおいに癒されたのです。

また、同整形外科にてリハビリの先生にこんな装具を作ってもらいました。

これを装着すると手首が固定されるので日常のたいていの事はなんとかできるのです。車も運転できました。とはいえ作品作りはしばらくお休み。数日は手首のリハビリとパソコン仕事に励みます。

皆さんも『橈骨神経麻痺』にはどうぞご注意ください。意外と大変ですよ。

最後にお知らせですが、自分のロン毛のゴム縛りができないため、しばらくボサボサ頭で出現いたします。取引先や友人の皆様よろしくです。また、お酒は普通に飲めるので普通に誘ってくださいませ。