小箱

H2ギャラリーを始めてからボクはとってもチアフルである。


これまでずっと自宅兼アトリエに閉じこもっていたボク。
出不精なうえ人付き合いといえば
ごくたまに外に連れ出してくれるメディア関係の人達と
夜のススキノパトロール先で知る人くらい。


それがさ、今や毎週土曜日には街中に居て
そこにやって来る通りすがりの方はもちろん
噂をきいて来て駆けつけてくれた面々とシラフで盛り上がっているのだ。
週に一度の事だけどボクの脳と身体は外気に触れて確実に活性化している。


ギャラリー開設の真価を問われたとすれば答えはこれだったのかも。


そんなH2ギャラリーでのある日。
社長から「林の展示は地味」と指摘された。
ま、確かに。なんと頼もしい社長だろう。
そこで常設作品を増やそうかとか
図面をパネルにして張り出そうと考えはじめた。



そうだ、標本箱を設置しよう!

で作ったよ、八つの小箱。まだ塗装前だけど取っ手がいいだろ?
ただ社長に言わせればまだまだ地味かもしれないなぁ〜。


ところで何を標本にするかって?
そりゃ制作にかかわる面白き物だよね。道具とか紙のはぎれとか失敗作とか。
そしてボクは紙の作家だけど紙だけでもない。
動く作品を作るために集めたネジや歯車も虫ピンで留めてしまおう。
箱を引く時のワクワク感っていいよね。


この標本箱、来週中にも設置の予定だったが
急にテレビの取材が入ったため今月中にはと言っておこう。