ふきボウズ改修1

目下「ふきボウズ」の改修中である。
苫小牧の特別展での約ふた月間。20万回におよぶ腰振りを達成した彼の腰は、すでに限界に達していたようだった。会期も終盤、かなり耳障りな音を立てて苦しそうに腰を振っていた。彼の腰ふりの様子は当ホームページのギャラリートップで見られる。http://homepage2.nifty.com/papercraft/n-gallery/index.html
展示終了後の10月後半、時間的な余裕もでき、彼を寝床である段ボール箱から出してあげた。ひと月ぶりに再会した彼はいつものように微笑んでおりました。まずは頭をなでなで。労をねぎらったのです。

とりあえず組み立ててスイッチを入れてみると、ギュギュギュギュ〜ガガッ。あろうことかモーターが異音を発し、回転すらしない。こりゃまいった。展示会場での悲鳴の原因はモーターではなかったはずだ。帰りの輸送中の事故であろうか。何度繰り返しても同じだった。これが彼自身の問題なら、油をさして紙の擦れた部分を貼り替えればよかったはずなのに。これは大仕事になりそうだ。ん〜っ。
その後数日考え、このさい単なる修繕ではなく、我が愛すべき息子「ふきボウズ」の全面改修を行おうと決意したのです。
このブログ記事「ふきボウズ復活への旅」は「旅」だから長くなります。また、かなりマニアックな話になる恐れがあるので、特に工作に興味のある方だけお読み下さればけっこうです。


ところが、実のところ「ふきボウズ」の改修はほとんど進んでいない。
このテーマを書き進める前に白状すると、眼が不調だ。ここ最近で、老眼がいっきに進んでしまったようだ。
この改修にとりかかり新たな図面を書き始めた頃、頻繁に頭痛にみまわれるようになった。最初はこんをつめ過ぎだろうと休むことにしていたが、年末に向けのんびりしてはいられず、無理をしているうちに一日中痛みが続くようになった。原因はわかっている。今使っている老眼鏡が合わなくなったためだ。

この眼鏡は今持っている3本のうち最も度の強いもの。紙の切り抜きや文字書き専用として6年前にあつらえ、度数でいうと3.0弱くらい。その他の作業においては2.0もあれば充分だった。実は最近、何をするにしてもこれをかけているのが気になっていて、これでさえ眼鏡の奥で目を細めなければ見えない状態になっていた。しかし、だからといって作り替える気持ちもなれずにいた。
12年前に裸眼を捨てて物の制作を始めたが、裸眼を捨てるということはそれまで養ってきたスケール感を捨てることだった。老眼鏡は拡大鏡だから実際より大きく見えてあたりまえ。だから良く見える。しかし今までの1ミリが0.5ミリにも3ミリに見えたり感じたりする。そこを脳内で必死にスケール補正しているのだろうが、しまいにはもう何がなんだか、いったい何を作っているのかさえわからなくなります。そんな時は一度休んでリセットしないと大混乱はまぬがれません。この頭痛を解消させたいがため、さらに強い度数の眼鏡を作ろうとは思わなかったのにはそんな理由があります。
ただ、このままではいけない。このままでは頭痛薬の飲み過ぎで四六時中ぼわーっとしているか、思い詰めて廃業してしまうかもしれない。そこで「ふきボウズ」改修を一時中断し、老眼鏡以外で出来る対策を施すことにしました。その結果はもうじきわかるのでその時に。
写真は中断中の卓上。きれいに片付けておきました。

さて、「ふきボウズ」改修は回らないモーターのその後です。

作業中断前にした作業のひとつがモーターの交換でした。
「ふきボウズ」の動力は、回転数や回転角度を外部から制御できるステッピングモーターという低速・高トルクのモーターです。本来ならパソコンやマイコンでプログラムを組み、その意のまま複雑な動きも作り出せるわけですが、ボクにはそんなデジタリックな芸当は無理。ただグルグル回しているだけです。

つづく